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えー今月末に予定している結構でかいワークショップがありまして、その準備で週末にまで影響が出てき始めておる管理人です。とりあえず大過なく終わることを祈っとりますが・・・。
先週・先々週に3冊読み終えました。以前紹介した"Shutting out the Sun"、そして佐藤優氏の「自壊する帝国」、そして「国家の自縛」であります。 全然気にしないでこの先の2つの本を併読していたのですが、両方読み終わってから結構大きな共通テーマに気付いてちょっとびっくりしました。 Shutting out the Sunは現代の日本の「心の闇」のルポであります。引きこもり、自殺、出生率の低下、セックス産業、うつ病・精神病や、社会全体に蔓延する「希望のなさ」、そして「押さえつけられた社会の弊害」の現場からの紹介であります。方やこの「自壊する帝国」はソビエト連邦がいかにして「自壊」していったのかという工程を、佐藤氏独自の人脈、情報分析を介して追っていったものです。 ・・・でなにが共通点だったのかというと、「宗教」です。モラル、倫理、ともいえるかもしれません。佐藤氏は元々同志社の神学者で、この彼の知的訓練を経た教養、そして神学者としての彼の人格が、神を否定する基盤のもと作られたロシア帝国の中枢の中枢、知的生産・エリート層とのつながりを促したようです。そして結局帝国崩壊の中にあった重要なテーマというのはキリスト教という倫理感だったのでは、と彼の作品を読んで強く感じました。 Shutting out the Sunの著者は日本とIMFの融資前後の韓国を比べて、韓国ではキリスト教の広がりが19世紀はじめから非常に広まってきており、そこから形成されてきた一種の連帯感、信頼感というのが融資後における同国の成功に貢献した可能性が強い、と書いています。 この本はまったくもってキリスト教の話ではなく(著者はユダヤ系アメリカ人ですし)、この韓国のことを書いたページは2,30ページに過ぎません。しかし大きな、人工的、政治的、経済的な国家の目標、例えば江戸後期、明治初期ならば西洋に追いつく、または天皇現人神論、70~80年代は経済成長を成し遂げる、などの目標・社会規範がどこの誰がみても一番顕著でわかりやすい「宗教」足りえました。 しかしバブル崩壊後の日本はその「自信」の喪失からくる絶望感、不信感を伴い始め、そしてまたそこに追い討ちをかけるように、90年代中盤から出現しはじめたIT・ソフトウェアの経済が世界を形作るようになってくると、画一的・全体的というルール下でやってきた日本の社会機構がますます機能しなくなってきた・・・という論旨です。また今週のTime紙の"Can Shinzo Abe Find His Way?"と題された特集でも、日本のマクロ経済の指標は良くなってきているが国民の中の圧倒的な国に対する不信感、未来に対する絶望感が国内の消費を抑える結果になっている、という旨の記事を載せています。(ちなみにShutting out the Sunの著者もここで紹介されてます。) 意図せず興味が出て読んだ本でしたが、思わぬ共通項がでてきました・・・。要(かなめ)は倫理感かもしれませんなぁ・・・と感じはしました。・・・が、同時に、既存の政治化された宗教は公文式の教科書と一緒なので、そのようなパッケージ化された安易な政治道具に人間という存在をゆだねてはいけないという思いもあるにはあるのですが、これがでも短期的に見た簡単な答えであることは否めないのかな、と感じざるをえません。うーむ。 日本なぁ・・・どこに行くんだろう、これから? それはそうと佐藤優氏の著作を読んでこういう人もいたのかと実際外務省を結構見直しました。・・・でもそういう彼が国家主催の宗教裁判にかけられてますからね。なんともね・・・。
by takaakinet
| 2007-02-18 21:05
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