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さて、先日言っていたオノ・ヨーコの妹さんの小野節子さんの自伝的な本であります。ジュネーブの大学で博士号をとってから世銀に就職し、それから10数年間在籍し、それから米州開発銀行に出向して10年ほどしてからまた古巣の世銀にもどってシニアアドバイザーとして世銀でのキャリアからリタイアされた方です。
・・・という説明をすると、「ああ成功した人なんだな」と簡単に思ってしまうかもしれませんが、この彼女の本、すごいですよ。これほどの国際機関における「政治的なやり取り、拮抗」が赤裸々に書かれた本なんて、私生まれて初めて手にしましたよ。 大体国際機関にいる人々は本人のプライドも高いわけで、例えば実質上の左遷だったり、降格だったり、影響力の強い人に掛け合っていいポストをもらおうとして失敗した、なんてことなど死んでも書かない人たちばかりだと思います。いかに自分は国際機関という理想の場で葛藤しながらも活躍したのか、というおざなりな内容であるのがほとんどであります。 しかしこの彼女のはまったくそういうテキスト的な話はありません。こんだけビビッドに開発銀行系の内側を描いてくれて、読んでる最中は「おいおいこんなこと公表していいのかい?」と思う箇所がかなりありました。 いわゆる狭義の国連ではない世界銀行ですが、このような開発銀行における職員の出世競争の裏表がこんだけ凝縮して書かれてあるとは、正直読んだ私が一番びっくりいたしました。 読んでいて筆者が本当に純で、理想家、情熱家であることがひしひしと伝わりました。イコールそれはいわゆる世渡り上手ではない、ということもいえるかもしれません。そして高尚な自分と俗世的な自分を本当に装飾することなく、そのままストレートに公表しています。 実際に世銀などの発展途上国への貸付、発展プロジェクトというのはどのようにして進行していくのかもよくつかめましたし、そしてなによりこういう国際組織での出世競争の絵巻が本当に詳しく書かれてあり、正直これを読み終わって(ここまでグロテスクな世界では)自分はやっていけないな、と率直に思いましたね。 開発銀行と国連組織とではまた違った出世競争模様がありますが、開発銀行がここまでの内部競争図を持っていることを知ると、なんだか国連もそこまでひどくないような気になってくるのが不思議なものです。大なり小なりどっちとも醜いことには変わりはないのですがね・・・。 この本、かなりお勧めです。
by takaakinet
| 2005-09-28 22:13
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