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5月の後半にバンコクでリージョナルワークショップに参加してきまして、そのときの飛行機から最近あまり読めてこなかった本を読み始めてきてましたが、なんだかその(読んだ本も)結構たまってきてその書評を書くのもまた億劫な感じです。合計11冊ありますが、とりあえずは:
「Next」 僕の洋書のPleasureReadingといえばマイケルクライトン、とかれこれ10年近く前から彼の作品は結局ほとんど読んでるのですが、どうもねぇ・・・。最近の彼の作品はあまり面白くなくなってきました。State of Fearを書いた時点から彼の作風が代わったように思います。 なにもこのState of Fear(例の気候変動、地球温暖化に反駁した作品。彼本人は結構有名なアンチ地球温暖化の人)のシナリオが気に食わなかったというわけではまったくなく、彼のシナリオの組み方が、地球温暖化なんてありえない、ということを先に基礎にそこからいろいろと生ぬるいアクションを適当にいれこんだ、感じのぷんぷんする作品だったので(=プロットが練られてない)純粋に作品として面白くなかったというのが現実です。 が、このNextもState of Fearまでは駄作ではないとしても今回のはなんか映画の脚本を読んでるようで、彼独自の綿密な最新の科学技術の最新情報を土台にして、一級の想像力を働かせて世界を作っていく、ということがなく、しかもバイオテクノロジーに関しての結構常識的な情報をその土台としてつかいながら、その上にちゃちいアクションをいれこんで作品にしているという安易な感じがいなめませんでしたね。密度がなく、正直これから彼の作品はもう読まないかな、と思わせるレベルでした。 CongoとかTimelineとかの彼の作品の時の興奮と比べると遜色ありまくりの彼の最近の作品集のひとつ、という感じでした。 「心配性と上手につきあう方法」 これは結構面白かったです。なにが面白かったかというと、ここに書いてある内容、そっくりそのまま私であったような気がしたことでしょうか。人を形容する両極端だと思われる形容詞すべてを含有している自負+性格がある私ですが、そのうちの一つの性格として過度の心配性という側面も存在します。 でもこの本は心配性の症状について筆者の面白いアングルで切った解釈・説明が興味深く、共感を生むのですが、現実に使えるノウハウ本ということではなかったです。 「聖書に予言された神国日本」 却下。トンでも本だとおもって買いましたが、ロジック・展開むちゃくちゃ、背景の基礎作りもない、という、ここまで楽しめないトンでも本には久々に出会いました。却下。 「Talisman」 さぁGraham Hancock。Fingerprints of the Godsで衝撃を受けて以来ずっと読んできてますが、これはでもまぁまぁでした。実際でも彼のUnderworldの作品以降から、どうもアカデミックな、コンサバティブな論の持って行き方しかしなくなっていて、やたらと(このUndergroundでもそうでしたが)説明が長い割にはいいたい結論がそこまで魅力的に描かれていない、という状態に最近はなってきてます。 このTalismanもそんな感じで、この本はまとめると3分の1くらいの量には簡単になりますね。それくらいにアカデミックな注釈、詳細すぎる歴史説明が多すぎます。3分の2くらいは楽しんでましたけど同じ内容を延々と違うアカデミックの視点から見せられても一般人は全然魅力は伝わってきませんね。 まぁ最近の彼の作品は共著が多くなってきたのでそれの影響もあるかもしれませんが、これまた彼の前の作品のThe Sign and the Seal なんかで体験した、本当に手に汗握る謎解き・推理の世界、というのはこのTalismanでは少なくとも見られませんでした。まぁ個人的には原始キリスト教やグノーシス派に関する情報をいろいろと知ることが出来たのでそれなりに楽しかったです。
by takaakinet
| 2007-07-11 00:02
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