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さぁ今日はかなり長い(そして堅い)投稿となります。先日もお話したように最近行政評価について調査しているのですが、関連資料を読めば読むほど出てきた気になる点がありまして、今日も調べながら頭をひねっていたのですが、やっとああ、そういうことかもしれんか、と納得したことがあります。以下、自分でこの調査用に書き始めましたが、かなり長くなったのでこの考察はブログに転載するくらいにしようと思いました。
また暇なら読んでください。 ------ 内と外、という概念 “経営”という概念が上山氏(「行政改革の時代」「自治体再生戦略」の著者)の言うとおり、「組織の置かれた市場の環境を想定し、そこから逆算して組織としての次の手段を組織外部との関係の中で構築していく営み」であり、“管理”という概念が「現状の組織の営みを維持する組織統制のための努力」であるならば、そこからはまさしく日本という民族の特徴が透けて見える気がする。 外、つまり自分の置かれている状況を客観的にみる、という動作が基本的に日本文化には乏しい。外のものに対する日本人の反応としては2つあり、全くうけつけずに拒否反応を示すか、もしくは盲目的に、また無批判に迎合し受け入れるかのどちらかである。またこのどちらか両極端の反応が日本の近代史であり、文化的な性格である。 “舶来物”(外部性)に対する無批判の賛美、異種なもの(外部性)への条件反射的な拒否反応などの行動心理がそれである。例えば維新から日露戦争までが(外部性に対する)無批判の賛美もしくは無批判の同化の時期とするならば、維新以前の数百年、そして日露戦争以後から第二次世界大戦敗戦にいたるまでの日本は(外部性への)条件反射的な拒否反応の時期、と見ることが出来ないか。 常に周りの状況を考慮にいれ、自分の出処を決めるという“戦略的思考”は大陸性の文化であり、そこにはしかし内側からの、つまり真に倫理的な衝動からの行動、というものはない。つまり善悪の判断はその時その時の周囲環境や状況による相対的なものであり、実は外部と自分、という関係性の中にしか(この善悪の判断は)見出されない。翻って恥、という概念はこれは外部との関連性がないものであり、その出現は自らの内部にのみ見出すことが出来る。 内から外へという思考と、外から内へという思考の比較をさらに考えると、例えば改善、TQM、執行評価、という形の“内側からの改良”に関しては日本はどこにも負けないすばらしいものを持っており、その倫理感にいたっても全体的に見ても賞賛に値する。 翻ってこのような執行評価的、または内部の効率を高めるという概念は、“(効率を高めるという)行動自体が間違っているのか正しいのか”という命題に対しては答えは見出せない。それはこの命題が“外部の状況から鑑みて、是か非か”という、外部性を取り入れた命題であるためである。つまり外部性が考慮された瞬間にそれは(自分しかいない主観的なものではなく)客観的な事項となり、外部との関係性の中にその是非が内在するが、残念ながら日本の行動心理を考えると、このような外部性の積極的な内部化の実践(つまりは客観的評価)は非常に難しいように思われる。 大陸性文化の特徴である、“関係性の中から出現する倫理観”というものはその時々、時代時代によって、著しく変化するものである。これが理由で、大陸性の歴史文化の中には数百万単位の大量虐殺的な行為も時として行なわれるという素地を形成するものとなる。これは、悪いか良いか、正しいか間違っているかというような判断基準が外部との関係性の中にのみ存在するからであり、それは自動的にその判断基準が相対的となる。なぜならその判断は、その時々の外交状況(外部から見た自分の状況)においての選択肢の一つ、に過ぎないからである。しかし日本で見られるような、個々の判断基準が内部との、つまり個人の内部にのみ存在するのであれば、その判断基準は絶対的なものであり、その範囲(例えばその残虐性、規模の強弱の幅)は歴史のどの時代をとっても、変わることがないのではないか。 以下、思いついた日本(モンスーン気候下において、栄養素に富んだ自然環境にある比較的大きな島国、という条件がそろうのは世界でも日本しかない)の環境と大陸性(欧州、モンゴル、中国などのユーラシア全般の文明)の文化の特徴を対比したキーワードである。 ■内省 vs 外部性を取り込んだ思考(戦略) ■自問 vs コミュニケーション・関係性 ■恥 vs 正義(相対的なもの) ■気遣いや誠意(自分の倫理感に基ずく) vs 社交辞令、交渉、取引、駆け引き ■自分のみ vs 自分と他人の関係 このように“自分と他人”と書くとそれこそ日本的かと思われるかもしれないが、これは逆に“自分と他人との関係を考慮に入れた上での個人の行動・判断”を大陸性の心理は持つように思える。欧米は“個人主義”と言われるがそうではなく、むしろ“関係主義”と称されたほうがわかりやすいのかもしれない。翻って日本は“内向主義”であるといえる。 しかし他人と自分とをよく日本人の方が比べるではないか、と思われるかもしれないが、実際は、“自分が自分にもつ像、期待、思いと、それらに届いていない今の自分”ということであって、かならずしも自己と他人という、本当の意味での関係性の考慮はなされてはいない。例えば、他人よりも背が小さいということを恥に思う人は、その、“他人よりも大きくないと惨めだ”という自分の思考が原因で恥ずかしく思うのであり、実際に他人よりも背が低いことが原因ではない。 ■過去から現在 vs 現在から未来 過去から現在、つまり今までしてきていることはどうなのか、ということと、現在から未来、つまりこれかららなにをしていくべきか、との構図。後者はまた特に、今までしてきていることを捨て去る、という選択肢も含めた未来に向けた思考。(「あれもこれも」ではなく、「あれか、これか」という思考) ■(全員の)無責任・全責任 vs 責任の委任、割り当て 大陸性の文化には、自と他という明確な関係性が考慮に入っているため、責任は一つの(自分ではない)人や組織に割り振ることができる。これは“自分ではない何か”という存在を認識しているということである。翻って日本では自と他という区別がないため、自分(と思われるファジーな集団構成)以外のものは存在しない。したがって責任というものも誰かこの個人(組織)に割り当てる、ということができない。結局“個人”という概念は、逆説的ではあるが、この“個人”が回りに複数以上いるからこそ、つまり回りに多くの人・国が存在するからこそある概念である。日本ではこの個人という概念は明治以降やっと訳されて普及した。(これ以上割れない単位、in+dividableという意味) ■定性的 vs 定量的 やればなんとかなる、がんばれば道は見えてくる、などという定性的な意見で突き進み、定量的で客観的な調査に基づく意思決定を欠いたのは第二次世界大戦の日本やノモンハン事件における、陸軍の証言「日本の兵隊さんは非常に強いと聞いていました」などという恐ろしく定性的な意見を信じ込んで戦いに挑んだ状況を例として思い返しても顕著であろう。定量とは外からみた客観的調査である、定性とは、内からみた主観的意見である。 ■自分との戦い(職人気質) vs 他人との戦い(競争) ■定着し、土着の文化 vs 侵略し、築いていく文明 ■戦術 vs 戦略 第二次世界大戦の大日本帝国の行動を見てもわかるように、“WHAT”の部分である、何をやるか、という“戦術”の部分では(開戦後半年は)大成功を収めたが、“HOW”の部分である、目指している方向に向かっていかにやるのか、つまりそもそもアメリカとは戦うべきなのか否かという大局を読む“戦略”の部分で、まったくの無知無能さを露呈した。これもつまりは戦略という概念が外部性を考慮に入れた自分の出処如何、であるのに対して、この戦術というのは内部性のままの、果て無き内部組織の改善のことであり、その戦術自体が間違っているかあっているのか、という戦略的思考を伴っていなかったのである。 つまりこの戦略にあたるものが、政策評価であり、そして戦術にあたるものが執行評価、トータル・クオリティ・マネジメント(TQM)、または“改善”と呼ばれるものである。 このことから考えても行政評価と一口にいっても日本の文化・民族背景を考慮に入れるとあまりおいそれと飛びついても根付かない可能性が非常に感じられる。 -----
by takaakinet
| 2006-01-24 19:08
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