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ふとした関係で読んだ「小さな地球の守り方」という本であります。現在の地球におきているさまざまな問題、これは環境、社会、経済、生態・・・などの種類の問題について作者が4ページほどで簡単にそれぞれの事象をまとめてくれている本であります。
彼本人はイギリス人で、生まれてから12歳までインドのカシミール地方ですごして、都市計画に従事した後オーガニック農園などに乗り出し、現在はジャーナリスト、という経歴の持ち主です。 この本は簡単に読めたのですが、なにしろ扱っている問題がそれぞれに非常に大きな問題なために、彼の、それぞれの問題のポイントを簡略化せざるを得なかった点、ということはわかるのですが、それを差し引いても、 「世銀・資本主義・西洋社会・近代経済」=悪 「農園主義・社会主義・福祉国家」=善 というあまりに単純なラインを引きすぎているという感は否めませんでした。この本を読む限り、彼は菜食主義者でインドの潜在性を信じており、ガンジーを崇拝し、社会主義的なイデオロギーに惹かれている、ということが推測できます。 社会主義について言えば実は「西洋社会」において一番社会主義の信奉者が多いのはイギリスでありますし、それはイコール、アンチアメリカとしての立場の表明でもあります。(まぁ世界の良心に言わせれば全世界の皆がアンチアメリカ、でしょうけどね。) この本を読んでてアメリカでの学部時代を思い出しました。環境スクールに所属していたんですが、周りは中西部の金持ち連中の子息のヒッピーだらけでありまして、この本で言われていることのほぼすべては彼らの話にも出てきておりました。よってこの本の内容の響きはあの当時の雰囲気をかもし出す、非常に一直線的な考え方が充満しておりました。 「非西洋的なもの」に対する崇拝はいいのですが、じつはこの「非西洋的なもの」に対するアンバランスな程の没頭、それそのものが非常に西洋的な、直線的で階層的な思考である、ということに彼らはあまり気づくことはあまりありません。世の中にはいろんな価値観をもった人がいて、そしていろんな国があります。それらをひとつの価値観というリニアな尺度を使ってジャッジすることもできないし、するべきではない、というのが東洋的な、相対主義の考え方であります。 常に楽をしようとする人間の欲望にも、これこそ本当に無限の種類があるわけで、その結果として科学文明というものが発達してきているわけです。この、人間の欲望が多種多様である、という事実はかえられません。 ヒッピーたちが得てして陥りがちな考えが、このような多種多様な人間の欲望に根ざした種々の人間の活動、をひとつの尺度でジャッジしてしまうことであります。それはこの種類の欲望は悪、そしてこの種類の欲望は善、という、西洋人の大好きな二元論に結局は持っていってしまう、というものであります。まぁ極論をいうと、「世界平和のイデオロギーに反対するやつは皆殺し」というのもこんなアンバランスさのひとつの証左でありましょう。 まぁいずれにせよバランスでしょう・・・というまとめにしておきます。
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| 2005-07-18 00:00
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